ドローン測量とは

ドローン測量(無人航空機測量、UAV測量)とは、国土交通省が提唱する新規の土木建設モデルである「i-Construciton」で推奨されている新規の測量方法です。従来の航空測量とは異なり、セスナ等の航空機や小型ヘリを用いずに測量が出来るため、土木建設分野の効率化の要として注目されています。

ドローンパイロットと聞くと、景色や風景を撮影するパイロット像が浮かぶ方が多いかと思います。しかし、今、そして今後必要となるのは、土木建設分野で無人航空機を用いてドローン測量を行うパイロットです。

ドローンパイロットスクールを運営する「株式会社八進」は、ドローン分野で世界初のISO/IEC17025:2005の認定を受けた機関として、ドローン測量やドローン測量に関するコンサルティング、測量を実施するパイロット育成を行っています。

UAVを用いた公共測量マニュアル

航空レーザー測量や航空写真測量とは異なり、ドローン測量は法律の体系に取り込まれていない、新規の測量法となります。そのため、国土交通省がドローン測量における精度確保のための基準(案)や作業手順を定めています。

「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」

UAVとは行政用語における「無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)」の略称となります。このマニュアルは土木建設分野の公共測量を主としたものですが、日本国内で無人航空機を用いたドローン測量を行う際には無視することが出来ないマニュアルでもあります。

弊社でドローン測量を行うパイロット育成を行う場合、実地の他にマニュアルの解説も行う他、希望があれば出張セミナー等も開催しております。

ドローン測量の手順

では、土木建設分野における「無人航空機(UAV)を用いたドローン測量」はどのように行われるのでしょうか? その具体的な手順について以下に記載します。 無人航空機(ドローン)を用いた測量の手順について紹介しています。ドローン測量は国土交通省がi-Constructionの中で推奨している新規の測量法となります。 ①計画の策定
建設現場などの上空の飛行ルートを策定します。ドローンの機種に応じた専用のソフト用いて、撮影高度、写真撮影間隔、写真ラップ率等を考慮し自動飛行ルートを設定します。

②現場にGCP(地上標準点)を設置
ドローン測量では、ドローンで撮影した写真をもとに3Dモデルを作成します。その三次元モデルに正確な位置情報を付加するため、現地にGCP(Ground Control Point:地上標準点)を設置します。GCPはトータルステーションやGNSS測量器を使用し、基準点測量により座標を観測します。

③飛行・撮影
策定した飛行ルートに従い、自動飛行を行い撮影を実施します。この際には、必要に応じてフォーカス設定を手動で行うことも可能です。

④モデリング
専用の画像解析ソフトで解析を行い、オルソ画像の作成を行います。写し込んだ標準灯と基準点座標値の対応付けなどを実施し、測量の準備を整えます。

⑤出力・測量
オルソ画像、点群データ、三次元モデル等を出力データとして得た後、画像解析測量を実施します。尚、これらの三次元位置情報を持ったデータは、精度誤差が少ない場合、BIMなどの建物の外面にも活用できます。

ドローン測量で3Dモデル作成

ドローン測量で「3Dモデル(三次元モデル)」と聞くと、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ドローン測量は空中から撮影した画像を解析して地形を三次元モデル化し、その上で測量を行うという新規の測量法となります。 ドローン測量の過程には三次元モデル(3Dモデル)の製作を含んでおります。 今、土木建設業界の測量方法は大きく変わろうとしています。従来の”人”を用いた時間と労力の掛かる測量から、”無人航空機(ドローン)”を用いたスマートで効率的な測量へと、徐々に変化しています。

実際にi-Constructionに関連付けられた国土交通省によるプロジェクトでも、無人航空機(ドローン)による三次元データの作成は重要な項目として位置付けられています。

また、ドローン測量では精度が問題となるケースが多く存在し、今でも検証が進められていますが、多くの場合は緻密な精度を必要としない土木建設分野や災害現場の状況把握や検証に使われています。

そうした中で、ドローン測量の精度保証を行える国内唯一の会社が、ドローンパイロットスクールを運営する「株式会社八進」となります。

ISO/IEC17025による精度保証

「ISO(日:国際標準化機構 英:International Organization for Standardization)」は、国際的な標準である国際規格(ISO規格)の制定を行う非政府組織です。

ネジや用紙サイズ(A4紙)、果ては非常口のマークなど、様々な規格を制定する他、組織の品質活動を管理する為の「マネジメントシステム規格」を制定しています。

この規格では重要な技術をデータ・文書化して再現性のあるシステム作りが求められ、認証機関から認証を受けることで精度上の国際的な信用を得ると共に、製造したモノやデータをWTO加盟国で流通させることが出来ます。

マネジメントシステム規格の代表的なものとして、製造業などで使用される「品質保証の国際規格」であるISO9001がありますが、ISO9001より多くの事項を要求される「試験所の検査能力に関する国際規格」としてISO17025が存在します。

弊社は2017年8月15日、ドローン測量の分野で世界初となるISO/IEC17025:2005の認定を受け、精度誤差が2センチとして認められました。

順天頂衛星システム「みちびき」の影響

一般的にドローン測量では地形の三次元モデル化を行いますが、写真の中には建物なども含ませることが可能であり、建屋についても三次元モデル化を行うことが可能です。

認定された国際規格の範囲には地上の物件も含まれており、建屋の外壁について高精度な三次元モデルの作成を行うことが出来ます。そして、この精度は2018年に稼働予定の順天頂衛星システム「みちびき」の影響を受け、ミリ単位にまで向上することが見込まれています。

GPS精度が向上することで様々なサービスの利便性が高まり「高精度測位社会」の到来が予想されています。その中で、ドローン測量は地形モデルのみならず、建屋の三次元化をも行える高機能サービスとして、土木建設や建築の分野での活躍が期待されています。

遵守すべき安全基準

そのように利便性が高く、将来性に期待されるドローン測量ですが、資格が必要ない代わりに航空法による制限があります。 便利で効率的であり、次世代の測量を担うドローン測量ですが、航空法に関連する遵守すべく安全基準が策定されています。 国土交通省(国土地理院)では、「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」と合わせて、「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」を公表しました。

ここではUAV(ドローン)を安全に飛行させ、土木建設分野での測量を円滑に実施するために遵守すべきルールが定められ、平成27年12月より施行された「改正航空法」による無人航空機の飛行ルールを踏まえた内容が盛り込まれています。

■ドローン測量上の運航方法、運航条件
〇航空法に基づく国土交通大臣の許可・承認を得る必要のない空域および運航方法
〇作業員の目視下での運航
〇自動運航による運航(離着陸時を除く)
〇運航範囲の直下及び周辺に、不特定の第三者が存在しないこと。

ここで問題となるのが、「航空法に基づく国土交通大臣の許可・承認を得る必要のない空域および運航方法」の制限です。これに従うと、例えば「人口集中地区」と呼ばれる市街地では、無人航空機を飛行させることは不可能であり、ドローン測量を行うことが出来なくなります。

しかし、規定された手順と方法で訓練を行うことで、制限を解除することが出来ます。

全国各地でドローン測量を行うために

ドローンパイロットスクールは、操縦技術を習得するだけの他のスクールとは異なり、国土交通大臣や地方航空局長からドローンの飛行許可・承認を得ることを目的としたドローンスクールとなります。
全国でドローン測量を行う為には、公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)を遵守する必要があります。 「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」で制限された飛行も、弊社で専用の訓練を受け、許可申請を行うことで、全国でドローンを飛行させることが出来るようになります。

〇DID地区上空の飛行
〇目視外飛行
〇接近飛行

ドローン測量で必要となるのは、主に上記の三点の飛行方法となります。航空法の詳細な規定に関しては、「ドローンの飛行制限」のページをご覧ください。

ドローン測量で必要となる保険

ドローン測量を行う際に見逃すことは出来ないのが「保険」です。 ドローン測量で必要となる保険も完備しております。無人航空機による各種損害をカバー出来る保険のご案内もしております。 DJI社の製品を購入した場合ですと、対人と対物で最大1億円の保険額が支払われる「エアロエントリー保険」に一年間加入することが出来ますが、ドローン測量では1億円の損害では効かない場合や、ドローンのカメラや付属品について破損、従業員が器物を破損させてしまった際など、様々な問題を含んでいますがあります。

そういった保険の問題についても、ドローンパイロットスクールはご相談頂くことが可能です。弊社が加入している保険やお勧めの保険について説明させて頂き、担当者を紹介することも出来ます。

土木建設分野でi-Construction関連のドローン測量を行う場合には、ドローンの保険について必ずご一考下さい。

立地条件・お客様に合わせた柔軟な対応

実地の訓練から許可申請サポートと、許可承認のために必要なプログラムを全てサービスしているドローンパイロットスクールですが、立地はJR駅から徒歩五分の場所にあります。

機体の持ち込みにも対応しており、予め機体を弊社に発送頂くことも可能です。使い慣れた機種で、目的としている飛行の訓練を行うことが出来ます。

また、訓練スケジュールをご都合に合わせて組み立てることが出来ます。

遠方のお客様や、緊急で訓練が必要な方には最短二日程度で。愛知県内などの近隣で、業務の合間に訓練を希望する方は、ご都合に合わせた計画で訓練を進めさせて頂きます。

空撮後の業務を全面バックアップ

ドローンパイロットスクールは、お客様が許可・承認を得て終わりではありませんドローンパイロットスクールは、ドローン測量に必要な許可承認を得るだけに留まりません。実務で必要となる画像処理や三次元モデルのデータ処理のサポートも行います。 包括申請の場合は飛行実績の報告が必要となる他、定期的な訓練が求められます。(使用する機体について飛行を行おうとする日から遡り、90日までの間に1時間以上の飛行経験)

何よりドローンを用いた業務を行っていると、当初予想していなかった問題が発生したり、新しい用途を思いつくこともあります。

飛行実績の報告から定期的な訓練、業務で発生したドローンの問題や用途の検討などに対し、ドローンパイロットスクールは実務的・法律的にお力添えをすることが出来ます。

その他にも、ドローンを用いた空撮の画像処理から、額装、動画の編集や声優によるナレーションの追加まで幅広く対応しております。

ドローンパイロットスクールは卒業後もあなたの業務を飛躍的に高めることが可能です。お困りの際は、お気軽にお問合せ下さい。

空撮・測量・建築作業等ご相談下さい

ドローンパイロットスクールを運営している「株式会社八進」は、「DJI社製 Inspire2」や「DJI社製 Phantom4」において「DID地区上空の飛行」「夜間飛行」「目視外飛行」「接近飛行」の許可承認を一年間、全国の範囲で取得しています。

それに加えて、 ドローン測量の分野では、世界初となる国際規格であるISO/IEC17025:2005の認定を受けました。ドローン測量は国土交通省が推進するi-Constructionで推進されている測量法となり、弊社はその精度誤差が2センチとして認められました。

また、ドローン測量では撮影した写真を元に3Dモデルを作成するプロセスが含まれており、そのノウハウを活かして「空撮写真を用いた高精度な3Dモデル製作」も行っています。

そして、ドローンによる物件吊り下げに関しても、自社開発したシステムで許可承認を取得した実績があり、ドローンの開発等でもお力になることが可能です。

空撮で、測量で、建築作業で、開発で、ドローンのことでお困りでしたらお気軽に弊社にご相談ください。教育からコンサルティング、実務代行まで幅広く承っています。

講習内容・料金について


受講内容
時間
ドローン測量とは
60分
ドローン測量の手順について
90分
現場での安全管理について
30分
関連法規・許可申請の確認
30分
「UAVを用いた公共測量マニュアル」「UAVを用いた出来形管理要領」の解説
60分
標定点の設置(実習)
60分
ドローンによる撮影(実習)
90分
撮影画像の点群化(実習)
60分
点群の編集(実習)
60分
3D CADによる解析・設計(実習)
240分
総講習時間:二日間(13時間)
訓練価格:160,000円(+税)昼食付

*上記はDID地区での許可承認をお持ちの方向けのプランになります。その他の講習プランにつきましてはこちらのページをご覧下さい。
*講習は原則9時開始とさせていただきます。